Olive の日記

文学少女

『上田敏全訳詩集』の感想

 山内義雄さん、矢野峰人さんが編集した『上田敏全訳詩集』を読んだ。 読むきっかけになったのは、『劇場版 ガールズ&パンツァー』である。劇中でヹルレエヌの「落葉」が引用されていた。ノルマンディー上陸作戦開始の暗号に使われたらしい。
 旧漢字や古典的な表現が多く用いられており、私と同じ世代の人は読みづらいだろう。流し読みながら、気に入った詩は辞書を引いて読んだ。良かったと感じたのは
・清々しい春を感じられるガブリエレ・ダンヌンチオの「燕の歌」
・少し悲しい秋の詩であるポオル・ヹルレエヌの「落葉」
・出会いと別れを詠んだヰルヘルム・アレントの「わすれなぐさ」
・モリス・マアテルリンクの「愁のむろ」
・ギイ・シャルル・クロオの「窓にもたれて」
・エミイル・ヹルハアレンの「不可能」
である。「愁のむろ」、「窓にもたれて」が特に好きだった。