パウル・ツェラン著、飯吉光夫訳の『パウル・ツェラン詩集』を読んだ。
難解だった。日本語訳であるにもかかわらず、単語がわからないものが多くあった。具象的とあらわされる類の詩であるらしい。
私が特に好きだったのは、『掌を時刻でいっぱいにして』、『ストレッタ』、『これはもはや』、『立っていること』である。『ストレッタ』は勢いのあるというか、追い立てられるような感覚をもたらす詩で、あとがきで言及されているが、ツェランが強制収容所を訪れたときの詩らしい。ツェランの生い立ちを知り、再び読むと、どうしようもない悲しさが感じられるような気がした……。