Olive の日記

文学少女

『魔法の色を知っているか? What Color Is The Magic? 』の感想

 森博嗣さんの『魔法の色を知っているか? What Color Is The Magic? 』を読んだ。本作はWシリーズの第2作目である。

 とても面白かった。前作で未来の世界で直面している問題は出尽くしたので、このまま解決に向かっていくと勝手に思い込んでいた。本作で明かされた問題についても、前作を読んでなんとなくだが予感していたし、そうするように誘導されていた。しかし、Wシリーズの枠組みは予想を超えて、もっと巨大であった。また、本作では前作ほど出番がなかったウグイさんだが、やはりかわいかった。ウグイさんの「後悔するのは嫌です」というセリフに私情が混じっているような気がしてニヤニヤしてしまった。本作中で言及されなかったが、ハギリさんはもうカウンセリングを必要としていなくて、心の傷の原因はウグイさんだったんだなぁと思い至って、またニヤニヤしてしまった。
 既に『風は青海を渡るのか?』と『デボラ、眠っているのか?』の刊行が決定しているようである。早く刊行されることを願ってやまない。このWシリーズは、人間関係のどろどろしたところや面倒くさいところがほとんどないので、そういう小説を敬遠しがちな人にもお勧めしたい。